飛行機の位置特定などで使用されるレーダ探知機と同じ原理です。
探査機からコンクリート内部に向けて放射された電磁波は、コンクリート内部に伝搬しコンクリートと埋没物(鉄筋や空洞など)の誘電率の違いから異なる反射波を探査機に返します。その反射波から得たデータを解析することによって、埋没物の位置と深さを特定します。
RCレーダ探査はX線(レントゲン)探査で対処できない場合の探査方法の一つとして用いられます。
例1) 対象コンクリートの裏面にX線探査用のフィルムが貼れない場合
例2) コンクリートの厚みが、X線探査可能寸法を超えている場合 [ 参考ページ ]
レーダ探査装置が取得したデータをその場で解析し、X線探査同様、直ちに探査したコンクリート面に埋設物の位置を罫書きます。
また、探査データはその場でプリントアウトすることも可能で、報告書を作成する際は、このプリントアウトしたデータを添付します。
以下の理由から、レーダ探査は「ピッチが正確な配筋」に限定して用いられる場合が多い探査方法です。
①ピッチが80mmを割ると一塊として判別されてしまいます。
②金属でないCD管や塩ビ管等は解析が困難です。
③レーダ探査機は埋設物の真上を横切った時点で、その埋設位置や深さのデータを取得します。よって、開口部の補強筋やU字筋などの変則的な埋設物については、正確な位置特定が困難です。
レーダ探査機は埋設物の真上を横切るよう、配筋に対し直角方向に走査させます。
図のように、障害物や壁から約110mmの範囲はレーダ探査機が埋没物の上を横切ることが不可能なため、データを得ることができません。
測定方式 | レーダ方式 |
測定物 | コンクリート内部の鉄筋、塩ビ管など |
かぶり深度 | 5~300㎜ (コンクリートの比誘電率6.2、鉄筋径6mm以上で上端筋の場合) |
かぶり分解能 | 浅モード:約1㎜、深モード:約2㎜ |
水平方向分解能 (ピッチ) |
・深度75㎜未満にある探査対象物:
75㎜以上の間隔 ・深度75㎜以上にある探査対象物:深度以上の間隔 ※標準コンクリートでの実測値 (深度75mm時及び175mm時に鉄筋間隔40mmの鉄筋を判別可能) |
最長探査距離 | 15m/回 |
ディスプレイ | TFTカラー液晶(640×480ドット) |
電 源 | バッテリ動作、AC100V動作 |
寸 法 | 約149(w)×147(H)×216(D)mm |
質 量 | 約1.2kg |