コンクリート壁等の改修工事の際、コンクリート内部の埋設物を切断・破壊することのないよう、事前にX線(レントゲン)やレーダ(電磁波)を駆使した装置を用いて、コンクリート内部の状況を確認します。
阪神大震災や新潟県中越地震・中越沖地震など、日本では記憶に新しい大きな地震災害を何度も経験しています。この震災の繰り返しの中で、コンクリート建造物中の鉄筋が躯体の強度に与える影響については、数多くの破壊事例により広く認識されてきました。
それはコア削孔工事などによって不用意に鉄筋を切断すると、構造強度が著しく低下し、そこから破壊した事例が数多く実証されたためです。
また、改修工事においても、電線類や埋設配管の切断事故、停電によるパソコンデータの消失が賠償問題にまで発展することもあり、その事故防止対策としてコンクリート内部の事前探査の需要は年々高まって来ています。
これらのことから施工前の内部探査は、その重要性が広く認識され、官公庁施設、病院、工場、制御機器・情報処理施設などの改修工事では欠かせないものになっています。
当社では、探査目的によってX線探査とRCレーダ探査の使い分けを行い、その場で直ぐに内部の状況を報告します。
また、ご要望があれば探査結果に基づいて、切断事故の無い安全なコア削孔工事までを一貫して承ります。
X線探査はコンクリート内部をレントゲン撮影する探査方法です。埋設物の正確な位置把握が可能になるため信頼性は高く、埋没物を絶対に切れないという場面では最も有効です。
しかし、探査対象コンクリートの厚みが350㎜以内であることや対象コンクリートの裏面にフィルム貼付が可能であることが、X線探査を行う上での条件となります。
X線探査で対応できない場合は、電磁波の反射から埋没物の位置を推測するRCレーダ探査を行います。
施工箇所の状況や影響度によって、探査方法を使い分けます。
【天井内の壁を施工する場合】
天井内の壁を対象とした作業をする場合は、X線発生装置やコアドリルの設置側と、レントゲン撮影用のフィルム設置側にそれぞれ点検口(天井内への進入口)が必要になります。
右図は作業に最適な点検口のサイズと位置です。
【床のX線探査に必要な点検口】
床をレントゲン撮影する場合は、階下から床の裏側にフィルムを貼りますので、階下の天井には点検口が必要になります。作業に最適な点検口の位置は、撮影箇所(施工予定箇所)の真下です。
※新たに点検口を設置いただける場合は、上記の点検口の位置やサイズをご参考ください。
※点検口の位置が撮影位置から遠くなると作業効率が極端に低下するため、1日の撮影可能枚数が限られてしまいます。予めご了承ください。
※天井がジプトーンのようにビスで外れる物や、体の入る照明器具が撮影位置近くにある時は点検口が不要な場合もあります。